下町の味を支える老舗たち:荒川区で愛され続ける名店4選

都電荒川線が走る東京の下町・荒川区。昭和レトロな街並みが残るこの地域には、長年にわたって地元の人々に愛され続けている老舗飲食店が点在しています。それぞれが持つ独自の歴史と味わいで、荒川区の食文化を支えてきた4つの名店を、最新の情報と共にご紹介します。

目次

尾花(うなぎ)- 東京の鰻界「東の横綱」

基本情報

店舗データ

  • 創業:明治元年(1868年)
  • 所在地:東京都荒川区南千住5-33-1
  • 電話番号:03-3801-4670

アクセス

  • 東京メトロ日比谷線・JR常磐線 南千住駅から徒歩約4分

営業時間・定休日

  • 営業時間:11:30〜13:30(昼の部)、16:00〜19:30(夜の部)
  • 定休日:月曜日、火曜日
  • 予約:不可(並んでの来店のみ)

老舗の風格を感じる特別な体験

行列必至の名店

「尾花」は予約を一切受け付けない完全先着順のシステムを採用しています。週末は開店1時間前から行列ができ始め、平日でも開店30分前には並び始める人が多いです。特に土日の昼の部は、オープン前の10時過ぎには売り切れになることも珍しくありません。

注文後にウナギを捌き始めるため、出来上がりまで30〜50分ほど待つことになりますが、その待ち時間も含めて「尾花体験」と言えるでしょう。

有形文化財指定の歴史ある空間

店内は大広間の座敷から、現在はテーブル席に改装されており、有形文化財の指定を受けている建物で食事ができる貴重な体験ができます。

メニューと価格

主要メニュー

うな重
  • :7,000円
  • :6,000円
  • 大と小で使用している部位は同じで、量の違いのみ
その他の人気メニュー
  • うざく(ウナギの酢の物):2,100円
  • う巻き(蒲焼きウナギを卵で巻いた卵焼き):2,600円
  • 白焼き:6,000円
  • 肝吸い:400円

尾花ならではの味わい

炭火で焼かれたウナギは、ふっくらふわふわで香ばしく、口に入れた瞬間に溶けてしまうような柔らかさが特徴です。タレは甘すぎず、ウナギ本来の旨味を引き立てる絶妙な味付け。ご飯は硬めに炊かれており、柔らかいウナギとの相性が抜群です。

「東の尾花、西の野田岩」と並び称される通り、東京を代表するうなぎの名店として、ミシュランガイドでも一つ星を獲得し続けています。

訪問時のポイント

  • 支払い:現金のみ
  • 混雑時間:土日祝日は特に混雑、平日の夜の部が比較的入りやすい
  • 売り切れ情報:夜の部でも早い時間に大が売り切れることがある

光栄軒(中華料理)- 伝説のデカ盛り町中華

基本情報

店舗データ

  • 創業:1977年(昭和52年)
  • 所在地:東京都荒川区荒川2-4-3
  • 電話番号:03-3806-4924

アクセス

  • 都営バス「荒川三丁目バス停」から徒歩1分
  • 都電荒川線「荒川区役所前」から徒歩6分
  • JR常磐線「三河島」駅から徒歩8分

営業時間・定休日

  • 営業時間
    • 火・水・木・金:11:00〜15:00、17:00〜20:30
    • 土・日・祝:11:00〜19:30
  • 定休日:月曜日

驚愕のボリュームと下町の心意気

都内屈指のデカ盛りメニュー

光栄軒は1日平均200人ものお客さんが訪れる人気店で、店主の浅見さんがほぼ一人で調理を担当しています。毎日朝5時半から仕込みを始め、夜10時まで働く職人魂が、このボリュームと味を支えています。

名物のサービスお通し

アルコールを注文すると、前のオーダーを多めに作った料理が「サービスお通し」として無料で提供されます。唐揚げ、豚カツ、チャーシューエッグなど、何が出てくるかはお楽しみ。通常の一人前に匹敵する量のお通しは、光栄軒ならではのサービス精神の表れです。

メニューと価格

名物チャーハン

ボリュームと価格
  • 通常盛り(2.5合):850円
  • 大盛り(4合):1,150円
  • 特盛り(5合/裏メニュー):1,250円

通常盛りでも一般的なお店の2倍以上のボリューム。特盛りは重量約1.8kgという圧倒的な量で、全国からフードファイターが挑戦に訪れます。

味の特徴

大粒のチャーシューが惜しげもなく使われ、パラパラに仕上げられたチャーハンは、見た目以上に食べやすく、さっぱりとした味付けで最後まで飽きずに楽しめます。

その他の人気メニュー

  • ラーメンセット:900円(ラーメン、チキンカツ、生野菜、小チャーハン)
  • オムライス(2.5合):950円
  • カツ丼:ボリューム満点
  • レバニラ定食:店主おすすめ、レバーの臭みを消した絶品

店内の雰囲気と特徴

カウンター6席と座敷テーブル12席のこじんまりとした店内には、多数の有名人のサインが飾られています。卓上には昭和レトロな占いマシンが置かれ、懐かしい雰囲気を演出。
常連客と一見客が和気あいあいと食事を楽しむ、下町の温かさを感じられる空間です。

訪問時のアドバイス

  • テイクアウト:タッパー代30円で持ち帰り可能
  • 混雑時間:平日昼11時〜14時は行列必至
  • 支払い:現金のみ

砂場総本家(蕎麦)- 江戸蕎麦御三家の最古参

基本情報

店舗データ

  • 創業:明治45年(1912年)※大正元年に南千住へ移転
  • 所在地:東京都荒川区南千住1-27-6
  • 電話番号:03-3891-5408

アクセス

  • 都電荒川線 三ノ輪橋駅から徒歩2~3分
  • 東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅から徒歩6分
  • JR常磐線 三河島駅から徒歩12分

営業時間・定休日

  • 営業時間:11:00〜17:00
  • 定休日:水曜日、木曜日、月2回不定期で火曜日

江戸時代から続く正統な流れ

江戸蕎麦御三家「砂場・更科・薮」の中で最古参の蕎麦屋として知られる砂場総本家。江戸時代に糀町7丁目(現在の千代田区麹町)にあった「麹町七丁目砂場藤吉」が、大正元年に南千住に移転して現在に至ります。

1954年(昭和29年)築の総ヒノキ造りの建物は、荒川区の文化財指定を受けており、船底天井など当時の建築技術を知ることができる貴重な建造物です。

砂場そばの特徴

蕎麦の実の中心部のみを使用した細く白い蕎麦が特徴で、砂場独特の甘くて濃いめのそばつゆとの相性が抜群です。そば湯は非常に濃厚でクリーミーな仕上がりで、これを目当てに訪れる常連客も多いです。

詳しい情報はこちら

砂場総本家の詳細なメニューや価格、江戸蕎麦の歴史、実食レポートなど、より詳しい情報は別記事でご紹介しています。

味楽亭(焼肉)- 昭和の町焼肉を今に伝える老舗

基本情報

店舗データ

  • 創業:1975年(昭和50年)
  • 所在地:東京都荒川区西日暮里6-5-7
  • 電話番号:03-3893-2126

アクセス

  • 新三河島駅から徒歩2分
  • 三河島駅から徒歩8分
  • JR西日暮里駅から徒歩9分

営業時間・定休日

  • 営業時間:16:30〜23:00
  • 定休日:水曜日
  • 予約:可能(電話予約推奨)

絶品タン塩と秀逸なホルモンが自慢

荒川区西日暮里にある「味楽亭」は、地元で50年近く愛され続けている町焼肉の名店です。昔ながらのレトロな内装がお客様を迎え、常に満席で賑わう人気ぶりが、その実力を物語っています。

看板メニューの上タン塩

味楽亭といえば何といっても「上タン塩」が絶品です。分厚いにも関わらず驚くほど柔らかく、テロテロに光り輝く神々しい見た目。一度食べたら忘れられない逸品として、多くの常連客に愛されています。

ホルモン系も秀逸で、特に「ヤン」や「レバー」の味付けは絶妙。手頃な価格で上質な焼肉が楽しめる、地元の方々にとって親しみ深いお店です。

詳しい情報はこちら

味楽亭の詳細なメニューや価格、おすすめの食べ方、実食レポートなど、より詳しい情報は以下の記事でご紹介しています。

まとめ:荒川区の食文化を支える老舗の魅力

共通する3つの魅力

1. 変わらぬ味と技術の継承

それぞれの店が守り続ける伝統の味は、何十年、何百年という時を経ても変わらない美味しさを提供しています。職人の技術と情熱が、現代にも通用する「本物の味」を作り出しています。

2. 温かいもてなしと人情

どの店も地元に根ざした経営で、常連客との温かい交流が魅力です。初めての客にも親切で、下町ならではの人情味あふれる接客が心に残ります。

3. 驚きのコストパフォーマンス

老舗でありながら、良心的な価格設定を維持している点も特筆すべきです。特に光栄軒のデカ盛りメニューは、その量と価格に驚かされます。

訪問計画のご提案

都電荒川線の1日乗車券(400円)を活用すれば、これらの名店を効率的に巡ることができます。昭和の面影が残る街並みを散策しながら、時代を超えて愛され続ける本物の下町グルメを味わってみてはいかがでしょうか。

どの店も、一度訪れれば必ずまた足を運びたくなる、心に残る味と体験を提供してくれることでしょう。

※営業時間や定休日、価格は2025年8月現在の情報です。変更される場合がありますので、訪問前に各店舗にお問い合わせいただくことをおすすめします。

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