はじめに:なぜ今、荒川区の銭湯なのか
東京都荒川区は、都電荒川線が走る下町風情あふれる街。この小さな区内に、なんと約20軒もの銭湯が今も営業を続けています。2025年8月現在、東京都の統制料金により大人550円という手頃な価格で、本格的な温浴体験が楽しめるのが最大の魅力です。
本記事では、荒川区在住歴4年の筆者が実際に通って厳選した、東京都内でも特に魅力的な銭湯3軒を詳しくご紹介。都電荒川線を使った効率的な銭湯めぐりのコツもお伝えします。
東京都荒川区の銭湯が選ばれる4つの理由
1. 東京23区トップクラスの銭湯密度
荒川区の面積は約10.16平方キロメートル。この小さなエリアに約20軒の銭湯が営業しているのは、東京都内でも珍しい高密度です。都電荒川線の各駅から徒歩圏内に必ず銭湯があり、まさに「銭湯の街・荒川区」と呼ぶにふさわしい環境です。
2. 東京都統一料金でリーズナブル
2025年8月現在の料金体系
- 大人(12歳以上):550円
- 中人(6歳以上12歳未満):200円
- 小人(6歳未満):100円
この料金は東京都知事告示に基づく統制額で、荒川区内のすべての銭湯で共通です。スーパー銭湯なら2,000円以上する設備が、この価格で楽しめるのは驚きです。
3. 伝統と革新が共存する多様性
明治・大正時代から続く宮造り銭湯から、最新設備を導入したモダン銭湯まで、それぞれ個性豊かな銭湯が揃っています。東京都内初の設備を導入する革新的な銭湯も多く、伝統と最新技術の融合が楽しめます。
4. 都電荒川線でアクセス抜群
東京都交通局が運営する都電荒川線(東京さくらトラム)の1日乗車券は大人400円。これを活用すれば、荒川区内の銭湯を効率よく巡ることができます。レトロな都電に揺られながらの湯めぐりは、東京観光の新しい楽しみ方です。
荒川区のおすすめ銭湯BEST3
1.【日暮里 斉藤湯】東京都荒川区の駅近モダン銭湯の代表格
基本情報
- 住所:東京都荒川区東日暮里6-59-2
- 電話:03-3801-4022
- 営業時間:14:00~23:00
- 定休日:金曜日
- アクセス:JR日暮里駅から徒歩3分/都電荒川線「荒川区役所前駅」から徒歩25分
なぜ斉藤湯が荒川区No.1なのか
2015年にフルリニューアルした斉藤湯は、東京都荒川区の中でも特に設備が充実した銭湯です。初めて訪れた時、「これが本当に550円で入れるの?」と驚きました。
充実の設備と特徴
お風呂の種類
- 高濃度炭酸泉:血行促進効果が期待できる人工炭酸泉
- 露天岩風呂(シルキー風呂):超微細気泡でお肌つるつる
- ジェット風呂・電気風呂:疲労回復に最適
- 水風呂:天然井戸水使用でキリッと冷たい
特筆すべきは全館軟水使用。お風呂もシャワーもすべて軟水なので、髪がきしまず肌もしっとり。美容効果を実感できる、東京都内でも珍しい設備です。
実際に通って感じた魅力
- 広々としたロビーで生ビールが楽しめる
- 清潔感抜群でスーパー銭湯のような快適さ
- JR山手線の駅から徒歩3分という好立地
- シャンプー・ボディソープ完備、タオルレンタルあり(40円~)
2.【梅の湯】東京都初の高濃度水素風呂が自慢の荒川区西尾久の名湯
基本情報
- 住所:東京都荒川区西尾久4-13-2
- 電話:03-3893-1695
- 営業時間:15:00~25:00(深夜1時まで!)/日曜朝風呂8:00~12:00
- 定休日:月曜日
- アクセス:都電荒川線「小台」駅から徒歩7分
2016年新装オープンの話題の銭湯
小台本銀座商店街の中にある梅の湯は、2016年のリニューアルで2階建てになり、エレベーター完備でバリアフリーにも配慮。東京都荒川区の銭湯の中でも、特に家族連れに人気の施設です。
東京都初の設備に注目
高濃度水素風呂 東京都の銭湯では初となる高濃度水素風呂を導入。アンチエイジング効果が期待できるとして、美容意識の高い方にも人気です。
その他の充実設備
- 2つの露天風呂(寝風呂とバイブラ風呂)
- 実母散薬湯(漢方の入浴剤使用)
- 無料サウナ(4~5人収容)
- 1階に焼き鳥屋「梅京」併設
地域に愛される理由
リニューアル前の天井絵がロビーに展示されており、新しい設備と昔ながらの温かさが共存。都電荒川線沿いの銭湯として、観光客にも地元客にも愛されています。
3.【大勝湯】レトロ感満載!荒川区南千住の老舗銭湯
基本情報
- 住所:東京都荒川区南千住1-19-4
- 電話:03-3806-0141
- 営業時間:10:00~21:00
- 定休日:水曜日
- アクセス:都電荒川線「三ノ輪橋」駅から徒歩2分
商店街に溶け込む昭和の風景
都電荒川線の終点「三ノ輪橋」駅を降りてすぐ、ジョイフル三ノ輪商店街の中に現れる大勝湯。レトロな暖簾をくぐると、そこは昭和の世界が広がっています。
レトロだけど充実の施設
- 7つの浴槽(すべて温度ぬるめ設定)
- 脱衣ロッカー40個以上
- カラン(洗い場)40カ所以上の広々設計
- 薪で沸かしたお湯の柔らかな肌触り
中でも立シャワーが面白い。
通常の銭湯だと椅子に腰かけて、シャワーを使用しますが、大勝湯では立ちながらシャワーを使います。
商店街とセットで楽しむ
湯上がりには商店街での食べ歩きがおすすめ。昭和レトロな雰囲気の中で、地元の人たちとの触れ合いも楽しめます。都電荒川線の旅の締めくくりにぴったりの銭湯です。
荒川区銭湯めぐりを120%楽しむコツ
都電荒川線1日乗車券を活用した効率的な巡り方
都電荒川線1日乗車券
- 料金:大人400円/小児200円
- 購入場所:車内、荒川電車営業所、都電定期券発売所など
- 特典:沿線施設での割引あり
東京都交通局が運営する都電荒川線の1日乗車券と組み合わせれば、荒川区内の銭湯を効率よく巡れます。レトロな都電に揺られながらの湯めぐりは、東京観光の新定番です。
1日乗車券のことを網羅・都電で楽々行ける荒川区のおすすめスポットもこの記事で紹介しています。

荒川銭湯スタンプラリーに参加しよう
荒川区では定期的に銭湯スタンプラリーを実施。4軒巡るとオリジナル手ぬぐいがもらえるなど、特典も充実しています。各銭湯で台紙がもらえるので、ぜひ参加してみてください。
おすすめの時間帯
- 平日15:00~17:00:比較的空いており、ゆっくり楽しめる
- 夕方以降:地元の方で賑わい、下町の活気を感じられる
- 日曜朝風呂:一部銭湯で実施、朝からリフレッシュ
手ぶら入浴のポイント
荒川区内のほとんどの銭湯では手ぶら入浴が可能です。
- シャンプー・ボディソープ完備
- タオルレンタル:40~60円
- ドライヤー:無料または10円程度
思い立った時にふらっと立ち寄れるのが、東京都荒川区の銭湯の魅力です。
荒川区全銭湯情報の入手方法
あらかわ銭湯マップを活用
荒川区では「あらかわ銭湯マップ」を無料配布しています。
- 掲載内容:区内全銭湯の住所、電話番号、営業時間、設備情報など
- 入手方法:荒川区公式サイトからダウンロード、または区内各銭湯で配布
- 更新頻度:定期的に最新情報に更新
荒川区公式サイトの「荒川区内の銭湯」ページから、最新版の閲覧ができます。
外国人観光客の方へ:タトゥー・入れ墨について
日本の銭湯文化とルール
日本の銭湯では、伝統的に入れ墨(タトゥー)のある方の入浴をお断りしている施設が多いのが現状です。東京都荒川区の銭湯も多くが同様のルールを採用していますが、施設により方針が異なる場合があります。
タトゥーがある場合の対応
- 事前確認:入浴前に必ず電話で確認
- カバー用品の活用:小さなタトゥーは隠しシールでカバー可能な場合も
- 代替案:タトゥー可の温泉施設や貸切風呂の利用を検討
この規則は外国人への差別ではなく、日本の文化に根ざした慣習です。相互理解と尊重の精神で、ルールを守ってご利用ください。
季節ごとの荒川区銭湯の楽しみ方
春:桜と銭湯
荒川区は桜の名所も多く、お花見帰りの銭湯は格別。都電荒川線沿いの桜並木を楽しんだ後の入浴は、東京の春の醍醐味です。
夏:夏祭りと銭湯
下町の夏祭りの後、汗を流しに銭湯へ。荒川区では7~8月に「18歳以下無料入浴」などのキャンペーンも実施されます。
秋:薬湯の季節
秋は薬湯の種類も豊富に。季節の変わり目の体調管理に、各銭湯自慢の薬湯をお試しください。
冬:温まりの極意
寒い冬こそ銭湯の本領発揮。湯冷めしないよう工夫された設計で、心の底から温まれます。
まとめ:東京都荒川区で味わう本物の銭湯文化
東京都荒川区の銭湯は、単なる入浴施設を超えた地域コミュニティの中心です。550円という手頃な価格で、これほど多様で質の高い温浴体験ができるのは、東京都内でも荒川区ならではの魅力。
最新設備を誇る斉藤湯、話題の水素風呂がある梅の湯、昭和レトロな大勝湯。都電荒川線に揺られながら、あなただけの「ホーム銭湯」を見つけに出かけませんか?
下町・荒川区の温かい人情と本物の湯の恵みが、日々の疲れを癒してくれることでしょう。
※営業時間や定休日は変更になる場合があります。訪問前に各銭湯にご確認ください。 ※料金は2025年8月現在の東京都統制額です。
関連情報
- 荒川区公式サイト「荒川区内の銭湯」
- 荒川浴場組合公式Webサイト
- 東京都浴場組合
- 東京都交通局(都電荒川線)