「砂場」「藪」「更科」——江戸蕎麦御三家という言葉を聞いたことはありますか?
その御三家のひとつ「砂場」の総本家が、実は東京都荒川区南千住にあります。観光地でもなく、下町の住宅街にひっそりと佇むこの店が、江戸蕎麦の歴史を今に伝える原点なんです。
今回は実際に訪問し、名物の天ざるを食べてきました。実食レポートと歴史、店舗情報をお伝えします。
アクセス・外観
最寄りは都電荒川線の三ノ輪橋駅で、徒歩2〜3分です。東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅からは徒歩6分ほどになります。
外観はかなり年季が入っていて、歴史を感じる佇まいです。それもそのはず、昭和29年(1954年)に建てられた総ヒノキ造りの建物で、荒川区の文化財に指定されています。見た目の古さも、70年の歴史だと思えば納得ですよね。

店内の雰囲気
店内に入ると、4人掛けの座敷が2席、テーブル席が6席ほどあります。広くもなく狭くもない、落ち着いた空間です。
昔ながらの蕎麦屋という風情で、船底天井など建築的には見どころがあるそうです。建築研究者も訪れるほどの貴重な木造建築とのこと。
客層は観光客が多そうで、30代以上と思われる方がほとんどで、接客は家族経営らしい雰囲気でした。
天ざるを注文(1,550円)
今回は天ざる(1,550円)を注文しました。
まず蕎麦について。二八蕎麦とのことで、麺は細めで柔らかい食感です。香りは控えめでした。つゆは濃いめで、蕎麦との相性は良いですね。
ただ、量は上品で控えめです。しっかり食べたい方は、大盛りや2人前を頼むのがおすすめです。

天ぷらは海老に加え、にんじん、しめじ、なす、かぼちゃなど季節の野菜5種類。ボリュームがあります。
衣はしっかりめで厚みがあるタイプ。サクサク系が好みの方には好みが分かれるかもしれませんが、食べ応えはあります。
蕎麦湯は絶品
この店で一番感動したのは蕎麦湯でした。
今まで飲んだことのないレベルの濃厚さ。トロッとした蕎麦湯で、香りも良かったです。濃いめのつゆを割って飲むと、これが実にうまいんですよ。
蕎麦湯好きの方には、ぜひ味わってほしい一杯です。


砂場の歴史
「砂場」の起源は意外にも大阪にあります。
豊臣秀吉による大坂城築城(1583年)の際、資材置き場として砂が置かれていた場所を「砂場」と呼んでいました。そこで土木作業員向けに営業していた蕎麦屋が「砂場」の名で呼ばれるようになり、江戸時代中期に江戸へ進出したそうです。
現在の砂場総本家は、江戸時代に「糀町七丁目砂場藤吉」として営業していた店が、明治45年(1912年)に現在の南千住へ移転したものです。ここから「室町砂場」「虎ノ門大坂屋砂場」が暖簾分けし、それぞれ独自の発展を遂げています。
店舗情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 砂場総本家(すなばそうほんけ) |
| 住所 | 〒116-0003 東京都荒川区南千住1-27-6 |
| 電話番号 | 03-3891-5408 |
| 営業時間 | 11:00〜17:00 |
| 定休日 | 水曜日、木曜日 ※月2回不定期で火曜日も休業 |
| アクセス | 都電荒川線 三ノ輪橋駅から徒歩2〜3分 / 東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅から徒歩6分 / JR常磐線 三河島駅から徒歩12分 |
| 支払方法 | 現金のみ |
| 座席数 | 約30席(テーブル席・座敷) |
| 駐車場 | なし(近隣にコインパーキングあり) |
まとめ:歴史と蕎麦湯を味わう店
江戸蕎麦御三家の総本家が荒川区にあるという事実、文化財に指定された昭和の建築、そして絶品の蕎麦湯——これらは他では味わえない体験です。
蕎麦の量は控えめなので、大盛りか2人前を頼むのがおすすめ。しっかり食べたい方は参考にしてください。
蕎麦好き、歴史好き、建築好きの方にはぜひ一度訪れてほしいですね。荒川区が誇る、知る人ぞ知る名店です。

