ラーメン700円、焼き鳥150円、入浴料550円。
東京にこんな価格の場所があることを、Airbnbは見逃しませんでした。2025年4月、世界の旅行者に向けて発表された「味覚の穴場」に選ばれた荒川区。その魅力を余すことなく体験できるのが、東京唯一の路面電車「東京さくらトラム」です。
三ノ輪橋から早稲田まで12.2km、30の停留場。ガイドブックには載らない、地元民だけが知る隠れた名所を巡る旅へ出かけましょう。
東京さくらトラム(都電荒川線)基本情報
運行区間 | 三ノ輪橋〜早稲田(12.2km・30停留場) |
運行時間 | 5:00頃〜23:30頃(約7〜8分間隔) |
運賃 | 大人170円(均一)、小児90円 |
1日乗車券 | 大人400円、小児200円 |
都営まるごときっぷ | 大人700円(都営交通全線1日乗り放題) |
賢い乗り方:3回以上乗るなら1日乗車券がお得。後ろから乗って前から降りる。ICカード利用可。

エリア別完全ガイド:地元民が教える隠れスポット
1. 三ノ輪橋エリア:Airbnbも注目する下町の原点
三ノ輪橋停留場
「関東の駅百選」選定。昭和の香り漂うレトロな終着駅は、映画のロケ地としても人気。夕暮れ時の撮影がおすすめ。

【必見】三ノ輪橋バラ花壇
都電とバラが同時に撮影できる都内唯一のスポット。5月と10月が見頃で、朝8〜10時の光が最も美しい。地元カメラマンが集まる時間帯。

ジョイフル三ノ輪商店街
Airbnbが「味覚の穴場」として名指しした商店街。焼き鳥150円、総菜100円〜の価格で地元の味を堪能。
三ノ輪橋おもいで館
営業:10:00〜18:00(火・水定休)
入館料:無料
都電グッズ販売、沿線ジオラマ展示。限定品多数。
2. 荒川車庫前エリア:都電ファンの聖地
都電おもいで広場
開場:土日祝 10:00〜16:00
入場料:無料
昭和29年製と37年製の貴重な車両を展示。運転台で記念撮影可能。

【上級者向け】現役車両撮影ポイント
荒川電車営業所では運が良ければ5種類の現役車両を一度に撮影可能。6月10日「路面電車の日」、10月1日「荒川線の日」は車庫特別公開。
3. 飛鳥山エリア:東京一低い山と急勾配体験
飛鳥山公園
標高25.4m、東京で最も低い山。自走式モノレール「アスカルゴ」(10:00〜16:00)で楽々山頂へ。春は650本の桜が満開。
【マニア必見】日本一の急勾配区間
飛鳥山〜王子駅前間は勾配66.9‰。路面電車では国内トップクラスの急勾配を、上り時速15km、下り時速10kmで慎重に走行。車と並走する併用軌道区間でもあり、撮影ポイントとして人気。

3つの博物館
共通券720円で北区飛鳥山博物館、紙の博物館、渋沢史料館を巡れる。渋沢栄一ファン必訪。
4. 雑司が谷エリア:江戸から続く門前町
雑司ヶ谷鬼子母神堂
参拝:9:00〜17:00
安産・子育ての神様。樹齢700年の大イチョウは都内最大級。
【超穴場】日本最古の駄菓子屋「上川口屋」
1781年創業、鬼子母神境内の小さな駄菓子屋。優しいおばあちゃんが一人で営業。10円〜50円の駄菓子が並ぶ昭和の世界。

武芳稲荷神社
鬼子母神より古い1578年以前創建。連なる朱色の鳥居が美しい隠れた撮影スポット。
5. 早稲田エリア:学生街の穴場
【期間限定絶景】神田川の桜トンネル
面影橋〜学習院下間、3月下旬〜4月上旬のみ。都電が桜のトンネルを走り抜ける車窓は、地元民だけが知る絶景ポイント。

穴八幡宮
商売繁盛・金運向上で有名。早稲田大学も徒歩圏内。
季節別ベストシーズンガイド
春(3〜5月):桜とバラの競演
- 3月下旬〜4月上旬:飛鳥山650本の桜、神田川桜トンネル
- 5月上旬〜6月上旬:沿線4kmに140種13,000株のバラ
バラ撮影ベストスポット
三ノ輪橋バラ花壇 | 都電との2ショット撮影 |
荒川二丁目 | バラと都電の距離が最も近い |
町屋駅前 | 「あらかわバラの市」会場(5月中旬) |

秋(10〜11月):紅葉と秋バラ
- 10月中旬〜11月上旬:深みのある秋バラ
- 11月:鬼子母神の大イチョウ(樹齢700年)
1日モデルコース:4,000円で巡る都電の旅

9:00 | 三ノ輪橋スタート、1日乗車券購入 | 400円 |
9:30 | バラ花壇撮影、おもいで館見学 | 無料 |
10:30 | ジョイフル三ノ輪で焼き鳥食べ歩き | 300円 |
11:30 | 荒川車庫前、都電おもいで広場 | 無料 |
13:00 | 飛鳥山でアスカルゴ乗車、公園散策 | 無料 |
15:00 | 鬼子母神参拝、上川口屋で駄菓子 | 100円 |
16:30 | 早稲田で穴八幡宮参拝 | 無料 |
17:30 | 三ノ輪橋に戻り、商店街で夕食 | 1,000円 |
19:00 | 大勝湯で銭湯体験 | 550円 |
合計 | 2,350円 |
都電マニアだけが知る撮影ポイント
- 王子駅前〜飛鳥山間の併用軌道:車と都電が並走する貴重な光景
- 大塚駅前〜向原間:一般道路を走る併用軌道区間
- 荒川二丁目停留場:バラと都電の距離が最も近い
- 千登世橋:昭和7年完成、日本最初の立体交差橋
年間イベントカレンダー
- 5月中旬:あらかわバラの市(町屋駅前)
- 6月10日:路面電車の日(車庫特別公開)
- 10月1日:荒川線の日(記念イベント)
- 10月:鬼子母神御会式(露店多数)
- 年4回:みちくさ市(雑司が谷古本市)
まとめ:400円で体験する、もうひとつの東京
東京さくらトラムは、高層ビル群とは別の顔を持つ東京を教えてくれます。100年以上の歴史を持つこの路面電車は、変わりゆく東京の中で変わらない価値を伝え続けています。
Airbnbが荒川区を「味覚の穴場」に選んだ理由も、この路線に乗れば分かるはずです。観光地化されていない本物の下町、人情味あふれる商店街、そして四季折々の美しい風景。
1日乗車券はたった400円。この小さな投資で、ガイドブックには載らない東京の魅力を発見できます。次の週末、レトロな路面電車に揺られながら、あなただけの東京を見つけてみませんか?
